…………。
ゆっくりとまぶたをあげる。
ぼやけた視界に天井が映り、徐々に輪郭を強めていく。
躰がだるい。
眠りすぎてしまったときの、あの感じがする。
部屋は薄明るく ―カーテンの影響もあっただろうか―それでいて少し薄暗い。
あたりには静寂が訪れていた。
枕元の煙草を1本くわえて、火を着ける。
肺の奥まで吸い込んだ煙を吐きながら、脇のコンポに目をやる。
「5：02」
無表情な液晶がそう告げていた。
ドクン。
鼓動が速まる。
焦燥。
混乱。
今日のテストは計算理論だ。
2コマだったっけ？
それとも3コマだったか？
どちらにしろ、あまり余裕はない。
PCをつけて、ネットに繋いで確認してみよう。
誰か起きているだろうか？
わずかな希望を胸に電源を入れる。
いつもと同じはずの起動時間がとても長く感じられた。
おきまりの音声が起動の完了を告げる。
だが、ダイヤルアップは行われない。
モデムの電源は？
―――入っている。
ソフトは？
―――常駐している。
―――まさか！？
テレビの電源を入れる。
パチパチと言う静電気の音のあと、ゆっくりと映し出される画面。
それは…。
ラブジェネレーションの再放送だった。
おのれ、アビゲイル…。
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