解答速報

昨日の詩の解説。

外から聞こえる虫の音 いつしか聞こえなくなった蛙の声 まぶたに浮かぶは蛍の光
いつの光か判らぬそれは ぼんやりと、ぼんやりと、ただぼんやりと 明かりを灯した部屋に暗く灯る

虫の声は現在(秋)、蛙の声は過去(今年の夏)、そして蛍の光は大過去を象徴している。
蛙も蛍も記憶の中のものであるが、いつの記憶かという点では大きく異なる。
遙か昔の記憶である蛍の光は「ぼんやり」と「暗く灯る」

外から聞こえる虫の音 はっきりと、はっきりと、まだはっきりと 空気を震わせ耳に届く

記憶と妄想は紙一重である。
昔を思っていた作者が急に現実へ引き戻されたのは、やはり虫の声だった。
「はっきり」は「ぼんやり」を受けての表現。

どくどく、どくどく 血液が耳のそばを駆け抜けてゆく
空気を震わせることのない、この音は 僕にとっての生の証

最初に書いた時は「この音は空気を震わせることはないが」であったが。
インパクトが弱いので倒置法を使ってみた。
また、虫とは別種の「音」を取り上げることで転換を狙った。

虫の声はまだ聞こえる 彼らにとっての生の証が 幾重にも重なって

「生の証」という点で、前段を受けてみた。
「幾重にも」は正直な情景描写。
虫たちの生活時間ってどうなってるんだろう、なんて考えてふと外を見た。

空が白んでくる また今日がやってくる 幾重にも重なって

そしたら夜が明けてきていた。
不思議と、明るくなると「今日」って感じがする。

車の音が増えてくる ヒトの時間がこれから始まる
虫たちよ、さよなら また夜になったら、その生命を聞かせておくれ

あえて「ヒト」にしたのは、生物として「ヒト」という意味合いを持たせるため。
「さよなら」はどうしても使いたくて、その相手に虫を選んだ。

僕の時間は、続いてゆく

実はここが一番悩んだ。
「それから」をどういう形で表そうか、余韻を感じられるフレーズは無いか…。
最初は「僕の“それから”は、まだまだ続いていく」だったが。
続いて「ゆく」になり。
直接的すぎるので、「それから」を「時間」に変え。
「まだまだ」を取り外した。

ということで。

問1.作者が表現(言葉)に迷ったフレーズがある。

これは「空気を震わせる~」および「僕の時間は~」が正解。

問2.「いつの光か判らぬ」とあるが、それは何故か。

例:蛍を最後に見たのが遠い昔のことであり、その光がすでに想像の産物であるから。(37字)

問3.この詩を書いた後、作者はどうなったか。

最後のフレーズを考えている間に、酔いが醒めてきてしまったので、もう一杯逝きました(笑)。
で、乾した後、外を見ながら一服。
さらに布団に横になりながら銀色夏生「散リユク夕ベ」を開いて“だんだん 思っていることを言いたくなってきた”のフレーズについてひとしきり妄想してからガン寝。
なので、2.以外ならどれでも正解(笑)。

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