約束を守りに

7月22日、あなたは言いました。

一緒にカラオケ行こうよぉ

俺は答えました。

ダメ。行くなら塾を卒業してから。合格祝賀会の後からね。
卒業したら、いくらでも付き合うよ。

喉の奥と言うか、胃の後ろの方と言うか、とにかく起き抜けから気持ち悪い。口を大きく開けると「おえっ」ってなりそうな感じ。昨日の酒量は大したこと無いから、二日酔いではなさそう。このトコロ寒気を感じてたんで、いよいよもって風邪かも知れない。

電車で2時間の距離がしびれる。5時過ぎに到着。

とても久しぶりに、アノ扉を開けた。

超嬉しい。泣きそう。って言ったユミコは、本気で涙ぐんでた。彼女を一番古くから知ってるのは俺なのに、明確な最後の授業も、さよならも無く去ってしまったからね。

今日は変なテンションだから許してね、とも。

「ひょっとしてカラオケって(スタッフ)みんなで行くの? それ微妙じゃね? あたし知らない人の方が多いし」というヒトミの意見を尊重し、打ち上げには参加せず、ファミレスへゴハンを食べに行った。

一時間のつもりが、一時間半になっちまった。

「今度はカラオケだよ。いつ行ける? ゴールデンウィークとか、先生こっち帰ってくる?」
「ん、多分ゴールデンウィークは帰ってこれると思う」
「じゃあ、その時だね」

二人とも四月から大学生、一人暮らし。でもま、同じ大学だから、お互い助け合いながら、うまくやっていけるだろう。今度会えたときは、色々な話が聞けそうだ。

元気で。また会う日まで。

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