答えを出さない

何かにつけて「最近の生徒は」と言ってしまいがちだが、果たして本当に自分が生徒であった頃は違うかというと、記憶と同様に定かでは無いし、実は「昔の生徒」も同じだったのかも知れない。

4/16に見た「世界一受けたい授業の授業。

よく、「じゃあどうしたらいいですか?」と言われます。特に大人にこの言葉を言う人が多いです。そういう人には「いい大人が今さら人にどうしたらいいか聞くんじゃない!」って言います。

「じゃあどうしたらいいですか?」これはどうやら、もっともらしい言葉に聞こえる様です。よく人の話に反論をすると、こういうことを言われるんですが、そんなことこっちがひとつひとつ指図することではないんです。

その辺も辛抱がない。つまり答えを聞かなければ何をしていいのか分からない、ということだと思います。

この話の中では『特に大人に』と言っているが、生徒からも同様の問いが出てくる。

○○は役に立つの?
××は意味があるの?
△△って良いんですか?
◇◇って使うの?

『辛抱がない』という点で、これらは『どうしたらいいですか』と同じである。この頃は、敢えて答えを出さない様にしてる。「知らねぇよ、んなこと」「さぁねぇ」「どっちだと思う?」

ついでに言うと、「大変」という言葉もよく使われる。大概、大変は他者によってもたらされる。「毎月テストがあって大変」「宿題が多くて大変」「部活が忙しくて大変」 個人的には大変なのは良いことだと思うが、その大変の度合いが年々低くなっている様に感じるのだ。「土日も朝から夕方まで部活なんですよ」 それは確かに大変だと思う。俺もそうだったから、よくわかる。ところが、今は「土日も午前は部活があるから大変なんですよ」だ。確かに当人にとってみれば大変なんだろうけど。サイヤ人式強育論からしてみれば、ゆとりのある大変さは大変じゃない。それじゃあ伸びない。

番組名は忘れたが、NHKのドキュメンタリー(放送は結構前)を見て愕然とした。最近の小学生、まっすぐ走れないらしい。走り方を知らない、身体をコントロールできない。

日常の中で「走る」という行為が奪われている。昔の様に走り回って遊ぶことがない。それどころか、少子化の影響で学校が少なくなったため、学区が広がってバス通学になったり。犯罪をおそれて、親が車で送り迎えしたりで。「歩く」ことすら極端に少ないから、歩行時の足形(?)をとってみると、体重のかかり方がおかしいらしい。

缶蹴り、影踏み、鬼ごっこ、かくれんぼ、木登り、だるまさんが転んだ。こういう、特別な道具を使わない遊びを、今の子供たちはどれぐらい体験してるんだろう。理科の授業なんかしてると、自然に身に付くような「自然」の知識が全くない。

タケノコが竹から生えてたらおかしいだろう?
クジラが両生類って…アレは陸に上がらないだろう?
稲って花なんですか、って…そりゃメインは米だけど花は咲くよ?

以下、俺が小学生の頃に体験から得たこと。

アリの膨らんだ腹には蜜が詰まっている。
テントウムシは上に上に登ろうとする。下手に触ると変な汁を出す。
蜘蛛の糸は水をはじく。だいたいはメスの方がでかい。
蛇はえさを丸飲みする。
モグラは土の中を進むだけあって、かなり腕力(?)がある。
カマキリは交尾の後にメスがオスを食べてしまう。
トカゲのしっぽはちぎれる。脱皮もする。
脱皮直後のザリガニはふにゃふにゃしてる。
水槽にタニシを入れておくと汚れない。
トノサマガエルのオタマジャクシはでかい。
ホタルを捕まえた袋には、毎日霧吹きをかけること。
トンボはツユクサでも煎餅でも食う。あまつさえ共食いすらする。
カミキリムシは本当に紙を切れる。
カマドウマ(ベンジョコオロギ)はマジ気色悪い。
ハチの巣を攻撃するときは、なるべく遠距離から。
なぜかハエは手をこすっている。
ミジンコは肉眼でも見える。
カタツムリの角は触ると引っ込む。
シロツメクサとサルビアはなかなかに蜜が甘い。
茎がほどよい酸味でまいうーな植物が、通学路に生えていた。
ドングリの実は渋くて食えたもんじゃないが、シイの実は美味い。マジで。
ヒマワリの種は食える。しかも美味い。マジで。
ホオズキの実は美味そうに見えて…ズイマー。
銀杏はクサイ。しかもダイレクトに触るとかぶれる。
蝶の羽をベタベタ触ると鱗粉が取れてしまって飛べなくなる。
昆虫の触角を切ると、なかなか面白いことになる。
バッタは後ろ足をもがれると、跳べない。
アメンボを石けん水に入れると沈む。あわよくば溺死。
孵化直後の蝶の羽はいじるとしわくちゃになり飛べなくなる。
亀の甲羅は奪れない(くっついている)。
カエルをメンコのようにたたき付けると舌を出して失神する。

なんか終盤は残酷物語ですが。

種を蒔いてから芽が出るまでには時間がかかる(草冠に時で『蒔く』とはまさに)。それがまさに辛抱。

水をやりすぎたら腐る。ツルが伸びてきたら支柱を立てる。花が咲くまで見守る。それがまさに教育。

コメント

  1. umai より:

    あとは、ナメクジに塩とかツツジの蜜は意外にいけるとか、瓶にパン詰めて沈めるとクチボソが入れ食いとか、トラマルハナバチは針がないので羽をもいで飼い慣らせとか、ウスバカゲロウを使ってリアルフライフィッシングとか・・・色々あるね

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