祭り囃子

こんな夜は 涙見せずに
“また会える”と言って欲しい
忘れられないHeart&Soul
涙の果実よ

朝、いつもと同じ時間に起床。七夕祭りの警備。警備と言っても、実際には道案内がメイン。

昼を食って、自陣へ戻る途中でサヤカ一家に発見された。
「あー、先生っ、先生っ!」
「おっ、サヤカ! (母親に)あっ、どうもこんにちは」
「先生後で来るでしょー?」
「おー行く行く。そいじゃなー」

午後三時に後半部隊と交代して帰宅。シャワー浴びて浴衣に着替えて下駄を履き、古巣の教室へ。デジカメ持ってくの忘れた。超失敗。

ユミコカオリが居た。ヤヨイは既に帰ってしまったらしい。ヒトミが彼氏と一緒に遊びに来た。しばらくしたらサヤカが来た。

これから友達と待ち合わせなサヤカとは、あまり話せなかった。残念。

露店でビールを買った帰りにはみくに会った。つーか、向こうに発見された。日焼けして、少し痩せたように見えたけど、相変わらず元気いっぱいだった。

教室は、窓を開けると七夕踊りの審査会場前っていう二階特等席。みんなで高みの見物。

踊りは、ってか祭り囃子はいいね。

ビール片手に観覧しながら、こっそりジュンにメール。やはり帰ってきてるらしいので…教室に呼び出し(爆)。ジュンが来た後で、偶然にもふぅちゃんまで来た。高三娘が四人そろった。うわーすげー、俺、こいつらが中1や中2の頃を知ってるんだ。

ふぅちゃんは、普段早い時間の授業だったもんね。木曜のEコマとか」
「先生よく覚えてますねぇ」
「すげぇだろ。覚えてるもんだよ。ちなみにジュンは土曜のFが数学」
「はいはい」

酒も煙草も切れていたので買いに行く。ユミコカオリが付いてきて、ふらり踊りの余韻に浸る旅。

「一緒にカラオケ行こうよぉ」
「ダメ。行くなら塾を卒業してから。合格祝賀会の後からね」
「え~。あたしもう合格したよ」
「そうなん?」
「うん。内定貰った(※私立高の内部推薦)から、ほぼ確実」
「でもダメ。それは俺の中のルールだから。君らがココの生徒であり、高校生でいる間は、絶対にダメ」
「え~。ケチ~」
「ケチでえぇ。その代わり、卒業したらいくらでも付き合うよ」

カオリがどうしても酎ハイが飲みたいらしいので、氷結を買ってあげて、満足したところで残りを飲み干して証拠隠滅。

二人が帰った後で、やはり気になるので末娘にキツイ質問。色々と悩んでいる、というか白紙状態らしい。

泣かせちゃった。

焦ったぁ。でも、泣くってことは、何とかしたいと思ってるんだよね。

親が迎えに来てくれないジュンを家まで送る。さすがに10時過ぎの夜道を娘っこ一人で歩かすわけにゃいかんだろう。白角水割片手に(笑)歩きながら、たくさん話した。

「あたしも先生とお酒飲みたいなぁ」
「いいよ。二十歳になったらね」
「え~」
「それは俺のルールなの。単にゴハンやカラオケなら、卒業後はOK」
「へぇ~」
「ぶっちゃけお前のイッコ上の娘、就職したんやけど、その娘と、その娘の友達、まぁどっちも俺の生徒やけど、そいつらとは週一ぐらいでメシ行ってる」
「そうなの?」
「まぁ、それも色々理由があってな、もともとは(中略)なわけでな。それでも酒は飲ません。俺は飲むけど(笑)」
「…センセー意外と堅いんだね」
「堅いよ。それでもお前には大分ルール違反しちゃってる。現役の生徒で俺の電話番号知ってるのはお前だけだし」
「そういえば、なんであたしセンセーの番号知ってるんだっけ?」
「お前が数学の問題解けねーとかで教えたんやないか」
「あっ、そうだ。そんなこともあったねぇ」

説教じみたことや、助言めいたことは一切言わず。昔話や、未来話。笑顔になれる話をした。

家に着いて、家の前でもしばらく話し続けて。通りの向こうから酔っぱらい集団が歩いてきたので、ちょっかい出されてもアレやから「じゃあまたね。バイバイ、おやすみ」

笑って、手を振った。

授業ができなくても、してあげられることはいくらでもあるんだ。

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