もぅ、いいかな

幕張での出張作業は、つつがなく完了。海浜幕張→蘇我→…と乗り換えて17:20頃に帰着。ひょっとしたら、電車の中で学校帰りの元・生徒と遭遇するかなと期待してたけど、誰にも会わなかった。駅構内の本屋に立ち寄って、リアル最新巻と小説を二冊購入。

本屋を出て数歩して。おや?と思い立ち止まって振り返る。あそこに立ってるの、どことなくひさよに似てるな。似てっけど微妙だな…人違いだったら恥ずかしい。

少しばかり逡巡した後で、試しに「ひさよ」と呼んでみた。

「?」
反応した。目があった。片手を挙げる。
「あーっ、佐藤先生!」
ビンゴだった。

「久しぶり、元気?」
「あ、はい、元気ですよ。先生はまだあそこにいるんですか?」
「いやぁ、もう辞めちったよ。今は埼玉で仕事してる」
「えー、そうなんですか!? 大変ですね~」
「おー、もぅ大変よ。ほんと、まじ大変」

「そーいや、ひさよ進路は? 決まったん?」
「あ、はい、決まりましたよ」
「お、そうなんか。どこに?」
「んとですね、●●に就職が決まりました」
「へー!」
てっきり専門学校とかに行くのかと思ってたので、驚いた。

驚いて、瞬間、思い出した。

ひさよが中3の頃。進路希望調査の黄色い紙。「将来の目標」欄に書かれた“調教師”の文字。

『あたし、動物好きなんですよ』
『へぇ~。じゃ、なに、競馬とか見るわけ?』
『えっ?』
『調教師やろ?』
『あっ、違いますよ~(笑)。ほら、●●とかでイルカのショーとかやるじゃないですか。あれの』
『あぁ、なるほど。そっちの調教師ね』

「そうだそうだ! お前昔からず~っと言ってたもんな。あれ、イルカの…」
「そうなんですよ」
「じゃあ念願叶ったりだ。すげぇなぁ、おめでとう」
「ありがとうございます」

「来年になったら、ぜひ来て下さいよ。いい人連れて(笑)」
「※※だろぉ…ちょっと遠いよな~」
「ですよねぇ」
「じゃー、まぁ、いい人が出来たら行くわ。なーんか数年先になっちゃいそうだけどな(笑)」
「あはは、待ってますよ」
「ん、よろしく。じゃあ行くわ。またね、バイバイ」
「はい。さようなら~」

いつか、そう遠くない未来。客席から彼女に拍手を送る。そんな日が来るのだろうか。

夢に向かって真っ直ぐなあなたは。
“去年より ずっと 綺麗になった”

それから教室に行ったけど、サヤカが来る前に帰った。

待ってられなかった。いられなかった。正直言って、むかむかしてきた。

いつからそれが当然になった? あのベルは何のためにある?

これじゃあ、生徒は増えない。

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