わかっちゃいるけど

弱いんです…ぉ涙頂戴モノ。

適当な言葉では無いと思うけど

このヒトたちって可哀想でしょ?
でもね、ほら、頑張ってるんだよ。
すごいよね、感動しちゃうよね?

そんな思惑が見え見えなんだけど、やっぱり“うるっ”と来てしまうのです。
ロッククライミングも、乗馬も、初ヒットも、手紙も、欽ちゃんのマラソンも。

自分が涙もろい反面、誰かを泣かすことも多いみたいよ?
いや、裏切りとかそーいうのじゃ無くて。
こっちとしては、感謝とか激励のつもりなんだけどさぁ。

昨日?一昨日?
泣かせちゃったみたいで…いや、ホント泣かすつもりなんて無かったんだけどね。
スマン!ゴメン!悪ぃ!でも嬉しいや。

褒めるにしても叱るにしても、
自分の吐いた言葉が、相手の中に残ってるって、こんなに嬉しい事、ないよね。


ちなみに、自分における『人生が変わった瞬間』を考えてみたら…。

そんな瞬間が多すぎて、なんだか、もう既に人生が二転三転どころか七転八倒してる気がする。
まぁ、人生を語るにはまだまだ若造だと思いますがね。

でもきっと、自分の人生を変えたのは軟テ(※軟式テニス。今で言うソフトテニス)だと思う。

ちょっと昔話をするね。


むかしむかし、あるところに、佐藤雅之という、
それはそれは貧弱貧弱ゥゥゥURRRRRYで、まるでモヤシのような男の子がおったとさ。
そのモヤシっこは、中学生になったとき、何の部活に入ろうか悩んでおった。

スポーツテストじゃ懸垂以外どれも全国平均に届かない。
そんなオラは、サッカーや野球では経験者にはまず勝てない。
走ったり跳んだり投げたりが苦手なのに、陸上はありえない。
身体が小さいオラはバスケには向かない。
腕相撲で女子に負けるようなオラが柔道や剣道なんて、絶対無理!

でも、軟テだったら、何とかなるんじゃないかな?って少年は思ったんだわ。
長い距離を走るでも投げるでも無いし、重いモノを持つでもないし、
経験者も居ない。

なによりも、K先輩に憧れてしもうた。
3年生の中で一番小さいのに、一番強い。

こんな自分でも、頑張ればK先輩みたいに同級生には負けないんじゃないか?
力では勝てない、体格で劣る相手にも勝てるんじゃないか?ってね。

今でも覚えてんのよ。中1の新人戦のとき、1コ上の女子の先輩とのやりとり。

―まだ勝ってるの?
―はい、何とか(笑)
―頑張れ!

チビでガリな俺が勝ち進むって、SoftBank以上に予想外だったんじゃねーかな。

甲子園とか、国立とか、花園とかに比べたら、なんて事はない狭い地域の中学の試合だよ。
今思えば、きっとまともな「ゲーム」になってない、初心者同士の試合だよ。
そんなんでも、ベスト32→16→8→4と勝ち進んでいくうちに、応援とヤジが大きくなってくるんだ。

そして、決勝戦。2ペアしか残れないコートの上に、俺は居たんだ。

そん時の試合内容なんて、覚えてないよ。
ただ、相手は強かったし、左利き独特の玉の回転に翻弄されて。
チェンジコートで自分のベンチに戻ってくるときには、泣いてたんだ。

悔しくて。

運動で負けることには慣れていたのに、悔しかった。
記憶は美化されるものだと分かっているけど、多分きっとその時が、
初めて「負けたくない」って思った瞬間だった。気がする(笑)。

「負けたくない」―その一心で戦った…せいかどうかは分からないけど、
俺、何故か優勝しちゃったんだよね。


「負けたくない」

そう思ったヤツとは高校で仲間として共に切磋琢磨し、
10年以上経った今でも、今朝方まで一献注ぎ合う仲になるとは…。
初対面で初対戦だった当時には思いもしなかったよ(笑)。

「不安に勝つためには?」って問いに、松井秀喜は「自分を信じること」と言ってたけど、
それってもう少し残酷な言い方にすれば
「自分を裏切らない努力をすること」だと思うんだ。
辛くて、悔しくて、悲しくて、それでも負けないで、努力を重ねること。
そうやって、ようやく自分を信じられる。


あの時の経験があったから、俺は塾講時代、子供達に「頑張れ」って言えた。
「この夏、ちょっとだけ頑張れば、お前は絶対変われる」って言えた。
「努力がどんだけ素晴らしい事かは、努力してみねぇとわかんねぇんだよ?」って言えた。
「努力は自分を裏切らない」って言えた。

できれば。
もしも、まだ身体が動くなら。
短い時間でもいい、
お互いの意地をぶつける、そんな本気の「乱打」をしてみたい。

コメント

タイトルとURLをコピーしました