雪ですな

こんな一面真っ白になるぐらい降るとは思ってなかったよ。

今日になって報告をしに来た生徒がいた。昨日連絡がなかったから、落ちたんじゃねーの、ってのが大方の予想だった。全然成績の上がらないコ。それ故に一度親が辞めさせたコ。授業でもあんまりやる気の感じられないコ。勉強しないとやばいよね、って言いながら危機感が欠落してたコ。

「先生、受かったよ」
エッ! うそぉっ!?
「ひどーい、うそじゃないよー、まじだよー」

おもわず祝福の言葉より先に本心が出てしまった(笑)。

「何でお前は当日に来ないねん…こっちがどれだけ心配したと」
「塾の開いてる時間になったら行こうと思ってたんだけど、すっかり忘れちゃってた」
「それならそれで電話ぐらいせーや」
「えー。だって直接来たかったんだもん」
いや、まあ、その気持ちは有り難いが、こっちの身にもなってくれ。

自己採点では349点だったそうな。
「つーかお前70点平均なんて点、今まで取ったこと無いだろ」
「うん。○○(こいつの一人称は自分の名前)もびっくり」

教科ごとの点数を聞いたら、塾で勉強してた英語と数学が60点台、ほとんど自分で勉強してた理科と社会が70点台だと。

「おまえは塾で何をしとったねん…」
「あはは、お母さんにも同じこと言われた」
「そら言うやろ…一体俺らは何やねん。めちゃめちゃヤクタタズやないか」
「違うよー。塾で勉強してたから、これぐらいの点数で済んだんだよ。塾に来てなかったら、絶対落ちてたもん。お母さんにもそう言い返したんだ」

一瞬、言葉に詰まってしまった。本心なのか、フォローなのか分かりかねるけど、救われた。

このコも中2の1学期から通い始めたコ。覚えてる。中2の2学期の中間テスト、それまでで最高の点数を取った。ものすごく誇らしげに報告してきた。俺も思わずガッツポーズをして「よっしゃ!」と叫んだ。

“勉強はしないけど、宿題はやる主義なの”でも授業中は寝てることもしばしば。“○○、天才じゃん”出来なかったモノが出来るようになると、必ずそう言った。“~~とか、まじむかつく。まじうざいんだけど”よく学校のグチをこぼした。全然勉強熱心じゃないのに、何故か月一回のテストは欠かさず受けていた。

最後まで、どこかちょっとずれた、マイペースで猫のようなコだった。

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