流行に乗りかけ

この喉の違和感は俗に言う風邪かも知れない。まぁ疲労から来る不調だと思うんで、明日ガッツリ眠って回復を図ろう。

今日は龍角散を舐めながら授業をした。

ナツミの理科。「つまり、どういうことか」を把握するチカラが弱い。答えを誘導させようと投げかける質問も、かなり注意して言葉を選ばないと、明後日の方を向いた答えが返ってくる。なんとかせねば。

ミキの理科。理解は順調。しかし、ペースが問題。教材が届き次第、家庭学習を指示していく必要がある。

アキの理科。深い思考が行えない。三段論法的な理屈の展開が苦手。志望校のことを考えると、非常に問題。なんとかせねば。数学は順調なんだけど。

K崎クンの数学。業者テストの解き直し。「解けそうに無いなと思ったらヒント出してやるから、それまでは粘れ。とにかく考えられることを全て考えろ」 ふたを開けてみれば、解説が必要なのは証明ぐらいで、残りはノーヒントで正解。受験時にそれが出来ていれば、偏差値60。「先生、俺すげぇショックです」と一言。夏場あんだけ鍛えられたんだから、そのぐらいの実力はもう備わってんねん。

恒例、娘との回想録。

「模試の結果が返ってきて…超ショック」
「お、返ってきたか。お前のことやから、ちゃんと持ってきたんやろ」
「持ってきたけど…見せたくない」
「いいから見せれ」
見た。
「…ショックやな」
「ね~↓。前受けたときは、ココ“今後の努力次第です”だったのに“得意科目を活かした志望選択を”になってるし…」
「いや、努力次第で、努力が足らんかったってコトやろ。当たってるやないか」
「うっ…ぉ父さん、ひどい」

「ぶっちゃけ、お前今どんぐらい勉強してんねん。時間」
「え…」
「ぶっちゃけ。正直に」
「…ほとんどしてない(笑)」
「してない~? こんの馬鹿たれが。お前他に何か習い事してるとか、無いよな? 勉強せんと一体何してんねん?」
「なんだろ…え、特に何もない。ぼーっとしてるかも」
「はぁ…。なぁ、お前中間テストの勉強はどんぐらいしてた?」
「中間? 休みの日なら…まずプラザで8時間でしょ、そんで家に帰ってきてご飯食べてお風呂入って、その後だから…全部で12時間ぐらいかな…あ」
「あ、やないがな。中間テストの勉強がそんだけできて、何で受験勉強の時間がないねん。そらおかしいやろ」
「…ハイ」

「お前がやらなしゃーないんやで。最後に頼れるのは自分だけや」
「うん」
「自分だけ。俺を頼っても、俺は裏切るかも知れん」
「うそ~」
「なんもウソを教えるってわけやないで。ただ、結果としてちぃの期待を裏切るかも知れん言う事や。俺に出来る事は限られてる」
「そっか」
「裏切らんのは、自分の努力だけや。最後に自分を支えてくれるのは、それまでの自分の努力だけや」
「努力は裏切らない、かぁ…」

「もう、お前の受験はお前だけのモンや無くなってるんで。色んな人がお前の受験に関わってるんで」
「そう! そうなんだよねぇ。この模試の結果見て、推薦を○○に変えようかなぁとも思ったんだけど」
「ふむふむ」
「でもね、××への推薦状はもう学校の先生にお願いして書いて貰ったし、それにぉ父さんにもさ、こうして土曜日に来て貰ったりしてんじゃん。それでね、多分○○だったら推薦で入れると思うけど、それで受かっちゃったりしたら…なんかダメじゃん」
「そーやな」
「そう、ちゃんと勉強して、ホントーに行きたいトコに自分の力で合格しないとダメだと思うの」

「10月が、終わったな」
「?」
「今月の家庭報告書が埋まった。これを書けるのも、あと3枚ぐらいか?」
「あ~。だねぇ」
「寂しいねぇ。めっちゃ切ないわ」
「冬期講習は?」
「冬休みなんざ、たかが知れてる。正月をはさんで何日かは教室も休みになるし、どのみち俺はやっぱり土曜しか来れんだろうから。どんだけ増やしたところで、やっぱあと4枚がせいぜいやろ」

「あたしね、迷ってるんだけど、冬は<某予備校>の冬期講習を受けて、こっちは通常のままにしようかな~って考えてるんだ」
「そうなんか」
「やっぱ、そっちだと同じ受験生ばっかが集まるわけじゃん。なんていうか、絶対焦ると思うし、焦んなきゃいけないと思うのね。ここだと、敵が見えないじゃん」
「うん、そういうことなら賛成。確かに、ここで中学生に混じってのほほんとヤルぐらいなら、周りからの刺激を受けて、ちゃんと自分にプレッシャーを掛けた方がいいと思うな」

「お前、塾に入ったのって中3からだっけ?」
「そう、中3の春から。最初に教室に来たのは3月の26日とか、そのへんだったと思うけど」
「そっか。やっぱ俺の方が先か。俺はお前が入る4ヶ月前、12月26だか27ぐらいからだからなぁ。まぁ、そんときは火・水・木と他の教室に行ってたから、ほとんど授業見てないと思うけど」
「だよねぇ」
「ま、でもようやくお前らで最後になったよ」
「最後?」
「俺が見届けなきゃいけない世代は、お前らで最後。高校受験の頃からお前らを知ってるのは、もう俺だけになっちゃったし。だから、俺だけはお前らが無事に卒業するのを見届けなきゃ、って勝手に思ってるんだけどさ」

「来週は教室が休みで、再来週は俺が来れへんから、次回は三週間後な」
「ウソ? そっか、そんなに空くんだ。三週間って結構長いよね」
「長いな」
「そっか。三週間か。きちんとやんなきゃ」
「できるか?」
「う…。やる。やらなきゃ。もう、ホントに」
「心配やな…。よし、こうしよう。お前、落書き帳を買え」
「落書き帳?」
「別にジャポニカとかやないで。レポート用紙の無地版みたいなの、あるやろ」
「あ~、無印とか」
「そうそう。コンビニで売ってたりするやんか。あれ」
「あたし使ってないヤツ持ってるかも」
「あるんならそれでええわ。それを潰していき。教科も何も関係なしでええから、とにかく問題演習をそれにやってくねん。普段みたいにちまちまとちっこい字で丁寧に書いてく必要もない。途中で間違いに気付いたら、派手に×つけて次のページとか。もう、大胆に」
「うん」
「ほんで、三週間後の授業のときに、それを持ってきぃ。どんだけやったか、俺に見せい」
「え~、見せんの~」
「そや。別に何をやったかとか出来がどうだったとか、そんなんは見んから。純粋にどれだけやったか、どれだけ時間をかけたかだけを見る」

「よし…。今日から。今日からだよ。もう、ホントに」
「そや。三週間後、俺を驚かしてくれよ。“うわっ、すげぇ、こいつ三週間でこんなにやったんか”って、俺を驚かしてくれよ。俺が驚く顔を楽しみにして、三週間、頑張ってみぃや」

で、また口だけで終わる予感がするので、脅迫文を仕込んでおこうと思う。

コメント

タイトルとURLをコピーしました