暴走するダメ人間

この頃の彼は、すっかり物静かになってしまった。
それは人間らしさを失っていく、ということでもある。
こうして、その過程を見守っているのは辛いことだった。
(笑)。
笑ってくれ、頼む。

それでも、まだ活字には興味を持っているようで。
過去に読んだ漫画や小説を引っぱり出しては、読みふけっている。
今日は吹きすさぶ風の音が、窓の外から聞こえてくる。
風が強い日にイベントは起きなかったはずだ。
なら、部屋でおとなしくしていよう(微妙に勘違い)。

冬こそが一番読書に適した季節なのでは? と思う。
コタツに入って、コーヒーをすすり、お気に入りの instrumental を聴きながら。
そうしていると、自分だけの孤独な世界が本の世界とスイッチする。

今日読んだのは、「BAD KIDS 海を抱く」(村山由佳)である。
いつだったか買ったきり、忘れていたものだ。
今日になって読もうと思ったのは、うまいとの会話が一因かもしれない。

何度も言ってる気がするが、何度でも言おう。
「やはり村山由佳は良い」映画にしろ小説にしろ。
感動を与える作品は数多くある。
感情を共有できる作品はいくつかある。
だが、感覚を共有できるのは彼女の作品をおいて他にない。
村山由佳が特別なのか、おいらが特殊なのか。

小説は、教科書のようなものだ。
何の役にも立たない言葉や知識。
人の考え方や、モノの見方、生き方。
そういったモノを、本の世界の住人たちから学ぶのだ。
それがおいらの悦びであり、本を読む理由であったりする。

オフショアが、岸向きの風であることを知った。
オンショアが、海向きの風であることを知った。
智恵子抄とレモン哀歌が、高村光太郎の作であることを知った。

「どうも…」と言えるが、「ありがとう」は出てこない。
「悪い」とか「すまん」と言えても、「ごめんなさい」と謝れない。
そんなもんかな?と考えて。
案外そうかも、と思った。

だからどうした、と言われても困る。
「知る」だけで満足なのだから。
考え方にしても、そうだ。
根本的な自分のスタンスを変えるつもりはないし、そう簡単には変わらない。
一例として認識が残れば良いのだ。

たくさんの枝を、葉を繁らせよう。
一葉が枯れ落ちたとしても、それは幹を太らす糧となるのだ。
高いだけが大木にあらず。

真っ直ぐに前を向いている人が居たら、囁いてあげよう。
あなたは前を向いているの?それとも、横を向く勇気がないの?と。

暴走するダメ人間(謎)。

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