約束を、しよう

や、タイトルにはそんなに深い意味があるわけじゃなくて。

今年は夏期講習前の生徒面談を実施することになりました。生徒とサシで面談です。俺の場合は今週末からボチボチ始まります。

どのように生徒の意識・意欲を高めていくか。生徒面談はウチでは初めての試みなので(つっても俺は他の教室で少しやったことがあるんですが)
うまくいくか心配もあります。

でもまぁ、他の先生の心配まではしてられないし。今はもう、そこまで「してあげる」立場ではないし。なるべく口出しはしないように心がけるつもり。もちろん相談されれば答えるけれど。

個人的には、今まで(受験)勉強に関して、授業以外の時間を割いてまでして話す機会があまりなかったので、今回の面談は非常に楽しみです。

言っておきたいことはたくさんある。だけど、上辺だけのありきたりな正論は言ったところで右から左に抜けていくだろう。どうせなら、学校の先生も、親も言わない様なことを言ってやりたい。

「一日中、机にかじりついて勉強なんかしてたら、余計バカになるで」

“は? なにそれ? どういうこと?”と思ってくれたら、俺の勝ちだ。

「だって、そいつは勉強ばっかしてて、結局勉強しかできへんのやろ。そういうのをバカっつーねん」
「お前は相手の目の前で悪口を言えるか? 言えへんやろ。当たり前やな。そんなんしたら、相手は怒るか傷つくか、とにかくマイナスなことが起こるわな」
「でも、そう思えるっちゅーことは、十分賢いってことやで。相手がどう思うか想像できてるし、マイナスの概念もわかっとる。ついでに俺の話の内容も理解できてる」
「じゃあ、なんで勉強ができてないんだと思う?」

まぁ、たとえ話はそのときそのときで変えると思うけど、「お前は賢い」は共通する。逆の言い方すると、「私はバカ」という答えを封じる。そうしないと、最後の問いで「バカだから」って答えが出ちゃうから。で、「バカ」を封じると、出てくる答えはほぼ一つ。

「勉強してないから」

「せやな。わかっとるやないか」
「あんな、勉強って実はそんなに難しくないんやで。まぁ、クラスにも勉強ができるヤツっておると思うけど、なんでそいつらが勉強できるかっつーと、文字通り勉強してるからやねん。わかるか? 勉強ができるヤツってのは、study ができる、studying の時間を作ってきたヤツらやねん」

「頭の良いヤツってのは、実はそんなに勉強してないねん。っていうか、ガリ勉で頭の良いヤツっておらん。むしろガリ勉はバカや。バカやからガリ勉しなきゃならん」

「なのになんで成績が良いかっていうと、それは今までの積み重ねがあるからや。『そんなに』勉強してないだけで、ある程度はしてんねん。それが10年積み重なってみぃ。エライ時間やで。一日一時間としても、3650時間や。まぁ実際は、それよりも全然多いやろ。5000時間は超えとるな」

「でな、そういうやつらに限って、勉強って苦やないねん。お前は、勉強がなんかとんでもなく大変なことに思えて、やる前から『やりたくないなぁ~』って思うやろ」

「でも、勉強ができるヤツには、勉強するってのは当たり前のことなんや。お前が飯を食ったり、テレビを見たり、部活をしたり。それと同じ感覚なんや」

「お前も、まずはそこに追いつけ。簡単にできることからでエエわ。英単語の書き取りでも、漢字の練習でも。手ぇ動かすのがしんどけりゃ、教科書を読むだけでもエエわ。何でもいい。やって損することは一つもないわ」

「勉強ってのは、して当たり前なんや。して当たり前なんやから、それはできて当たり前なんや。ところが、お前らは、しないからできない。できないからしない。悪循環やないか」
「何も勉強せずにわかるほど勉強は甘くない。せやけど、勉強したのに全然わからないほどキツイもんでもない。とにかくやってみぃ。やったら気付くで。まぁ、お前が勉強し始めて全部できるようになっちゃったら、俺の給料が減ってしまうんだけどな(笑)」

「当然、どっかでつまずくやろ。そのときのために俺らがいるんや」

「お前がこけたとき、壁にぶつかったとき。そのときにこそ、俺らが一番力を発揮できるんさ。まずは石のあるところ、壁のあるところまでは一人で歩け。それから、石をけっ飛ばせ。壁をぶん殴れ。それで、どうにもならんかったら、俺を呼べ。でも、俺は石をどかしはしないし、壁をこわしたりもしない。その代わり、俺は、お前の蹴る力、殴る力を鍛えてやる」

「そうして、いつか『俺なんか必要ない』と思ってくれたら。石を蹴り飛ばし、壁を殴りこわすことができる様になってくれたら。俺は少し寂しく思いながらも、とても嬉しく思うだろう」

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