おまえら…

予感の的中率が高い。

午前中、打合せ。明日が納期なので、何を成果物として上げるか、とか。

午後、その成果物をまとめたり、地図を表示するCGIを作ったり、請求書を作ったり。今月は休みが多かったんで、ちと少ない。

授業がなかったので、たっぷり七時半まで仕事した。寄るか、寄るまいか考えて…ちょっと顔だけ出すことにした。ちぃからのメールは無かったから、少なくともアイツは自習してんだろ。

なみちぃが隣合わせで自習…じゃなくてお喋りしてた。なんかすっかりイイ先輩・後輩の仲になったなぁ。

なみはすっかり元気になっていた。心配して損したと思うぐらいに、いつも通り。

高校の志願状況が発表されたので目を通していると、二人してコソコソと教室を出ていった。なんや、ドッキリの打合せか?

階下で一服。視界の隅に、向かいのケーキ屋から出てくる二人。すぐ俺に気付いて身を潜めた。やっぱりか。気付かない風を装って教室に戻った。

俺が戻って数分。二人も戻ってきた。そして突如始まるショートコント。

「そういえば先輩、今日は何日でしたっけ」
「今日は1月19日だよ」
「19日かぁ…今日って何の日でしたっけ」
「何の日だっけ? いち、いち、きゅうだよ」
「ん~、いいくに作ろう!」
「いやいやいや、2は付いてないから(笑)」
「ああっ、そうか」
「あたしの大切な友達がぁ、カップルとしてつきあい始めた記念日。これはホントなんだけどぉ、そうじゃなくてぇ」
「そういえば19って素数なんですよ」
「あっ、そうだねぇ」

「つーか、それは俺が何の日か答えるまでずっと続くんか? わーったから、二人ともコッチきぃ」

「お誕生日、おめでとうございます」
「ありがとう。じゃ、食うか。お前ら、自分の分も買ってきてあるやろ」
「いやいやいや、何を言いますか」となみ

開けてみた。


「おい、なみ…」
「なに?」
「すげぇな、最近のケーキ屋は。買いに行ってその場で書いてくれるんか」
「いやいやいや(笑)。そんなわけないじゃん」
「ってことは、なに、コレ前から仕込んであったん?」
「いやぁ、今日に限ってなかなか先生来ないから、ちょー焦ったよ」
「ったく。こんなんせんでもええのに。ありがと。すっげー嬉しい」

紙皿は余るほどあったが、フォークはプラスチックのヤツが三つしかなかった。切り分けて、三人で食べた。
美味かった。腹一杯で、胸一杯で。食べながら話した沢山のこと、すっかり忘れてしまった。

食べ終わったら、なみは自習に戻った。ちぃは昨日の様子を話し始めた。

「昨日? 昨日だよね?」
「昨日だな。なんか昨日のようには思えないけど」
「ね(笑)。なんかねぇ、すごい普通に話せたの。やりやすかった」
「どんなん聞かれたん?」
「まず学校の志望理由でしょ。で、何故○○になりたいかと、周りはそれをどう思うか。家事は手伝うか、部活はやっていたか。あと家族についても聞かれたし」
「なんか、推薦のときに練習した質問ばっかやな」
「でしょ? 発表ですぐ試験だったから、練習する時間なんてほとんど無いわけじゃん。でもね、ホラ、あたし本(※推薦入試のときに作らせた面接ノートのこと)作ってあったでしょ。だから前の日にそれ見て。学校志望理由も、願書に書いたヤツ覚えてたし」
「しっかり答えられたんだ」
「うん。一回だけ普通に“お母さんが”って言いかけたけど。“お母さ…母が”ってスグ言い直したの。とっさに言い直せた自分にかなり驚いた」
「そっかぁ」
「もうねぇ、やりきったぁって感じ。ホント、なんか…自信があるわけじゃないけど、あれでダメなら、もうしょうがないって思える」
「悔いはない、って書いてたもんな」
「うん、ホント、全然悔いはない」
「そか。良かったな」

そんなこんなと書いている1:22、もう一人のムスメからメールが来た。

相変ゎらずこんな時間にスィマセン。。特に緊急でもナィので、こっちにメールしてみたり(笑)

ぇと…突然ですが今、ものすごく悩んでぉります。進路ゃ自分の体調、部活ゃ学校生活すべてにぉぃて、何かもぅ気が狂ぅんじゃなぃか!!?ってくらぃ悩んでマス。。

(中略)

何か独りで悩んでるのも疲れちゃって…なんとなく、センセーに聞いてほしかったんです。ぁ、返事は別に大丈夫ですょ!センセーもそろ②忙しぃでしょ?だから…ぅん。大丈夫。ぁたし頑張るね。

これから返事を書いて、明日の朝に送ろう。

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