U gat

夕方が落下した。読了。寝る前とかにチマチマ読んだ296pages / 5days。最初は面白いと思っていた文体は読んでいる途中で飽きてきて、もうおなか一杯なのに全部食べなきゃいけないときのやるせなさに似ていた。でもそれは表層的な部分(読む上でのストレス)であって、内容に関して言えば俺的には当たり。こういう終わり方は好き。

『冷静で、明晰で、しずかで、あかるくて、絶望している』

夕方は境目ってイメージがある。確かに昼と夜の境目ではあるけれど、そんな時間的なものではなくて、空間というか概念的な部分で、現実と現実の境目。なんていうか、夕方の手前にある現実と、夕方の向こうにある現実は違う世界のような。『夕焼け小焼け』の童謡は夕方の手前にある世界。

空を見上げる。夕方がある。赤い空。夕方が落ちてくる。自分に向かって。飲み込まれる。振り返れば今までの現実が見える。届かない。境目にある。ふわふわした孤独感。通り過ぎる。すべりおちる。つないだ手が離れる。そこに残る現実。余韻と予感。

よくわかんね(笑)。登場人物とかストーリーとかに触れないで表現しようとしたらこうなった。まぁ、なんだ、夏の夜が似合う作品だった。

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