クジ運

目下就職活動中の妹が7:24の電車に乗るというので、半ば巻き添え気味にいつもより15分早く家を出た。

駅でみくとすれ違った。声を掛けようかと迷うこともなく、半ば反射的に振り返って「みく!」と呼んでいた。あ、ナニゲに俺、コイツのこと呼び慣れてるなと、なんとなく思った。

「わっ、先生じゃんッ!? 久しぶり」
「おはよう。行ってらっしゃい」
「うん、行ってくるよ。学校に」

向かいに座ったオッサンが、ガムをくちゃくちゃくちゃく…だー! みっともないとか思わんのかコイツは。気になって気になって、途中で『パイロット―』も読んでいられなくなった。

今日の昼は普通にコンビニ弁当。

午後イチ満腹で眠い。仕様書を書きながらウトウト…。

…はっ!?

イカンイカン。ん~、どこまで書いたっけ。う~む、どうやら意識が混濁した状態で1ページ書き上げたようだが…合ってるのか、コレ?

帰りは19:16の電車。またも隣の乗客が大股開きのオッサンという外れクジを引いてしまい、少々窮屈な読書タイム。『パイロット―』半分ぐらいまで。これもサクサク読める。明日また何冊か仕込んでおかないとまずそうなペースだ。

透明で、底が深いから、何も見えない…かぁ。

電車を降りたらホームでさやかを見つけた。接近していく(くる)ものの、友達とのおしゃべりに夢中で気がつきそうにないから、最接近したところで「さやか」と呼びかけてみた。

「ああーー! 先生!」
「よっ」
「おおおおつかれさまっす」
「おつかれさん(笑)。またね」

どもってるよ、この子は。相当驚いたんだろうな。

俺は目が悪いから。誇れるぐらいに強い乱視だから、基本的には人を見つけるのがニガテだ。「誰か」を判別するためには、じっと睨まなければならない。

ならないはずなのに。なぜか生徒の姿はすぐにわかる。ぼやけたのっぺらぼうの集団、その中でくっきりと、あいつらだけは目に映るんだ。

電車通勤、悪くない

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