丑三つ時のころ。
 生暖かい陽気のせいか、或いはその妖気のせいか。
 寝付けずにいて、しばらくワイヤード(ネット)の世界を泳いでいたのだが…。
 気がつくと、殻を破りてもう一人のビリー・ミリガン現る(謎)。
CD挿入、ヘッドフォン装着、フルスクリーンで起動。
 わずか数分の内に糸が張り巡らされる。
 「ゆく河の流れは絶えずして しかももとの水にあらず…」
 うたかたのツインアコギの調べに酔いながら、おいら横揺れ、船をこぐ。
「姉様……嘘、いや、どうしてッ…!?」
 「し…銀ぇぇぇぇぇえぇぇぇ!!!」
ZGYuuuuN! DAM! DAM!
 鼓膜が破れんばかりの音量でヘッドバンキング、すでに傀儡(クグツ)。
そうして
 ゆるりと
 目蓋を閉ざした初音の耳に、
 「姉様ッ…!」
 かなこの声が響いた。
ひぐっ…えふっ…あぐっ…ふくっ…。
 もう、ねーちゃん(シナリオのふみゃさん)最高ッス!
長い、刻が、過ぎたのよ。
午後1時。
 人外の本能で、起きた時間をそう見積もった。
 本日休業。
――忌々しい、この、耳…!
 目覚ましのベルも聞こえない割には、
トラック15 Runing Clouds[うたかた] Music Boxが、
 いつまでも、いつまでも…!(融解)


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