2006年3月23日、俺は言った。
俺は先生でなくなって、お前も生徒ではなくなったけど。
それでもこの絆は、もう絶対に切れないよ。
大丈夫だよ。絶対に、また、いつかどこかで会えるから。
山崎まさよしは唄う。
いつでも捜しているよ どっかに君の姿を
向かいのホーム 路地裏の窓
こんなとこにいるはずもないのに
今日は先頭車両に乗ろう。いつも通りの時間に滑り込んでくる電車。スピードを落としながら通り過ぎる中に、見知った顔。見間違えるはずのない顔。
気付かれないコトを祈りながら、ボックス席窓側を早々にキープ。寝たのが二時過ぎだったから、立つのは勘弁願いたかった。
動き出す車両、流れる景色。やがて足音が近づき、止まる。通路側、小さく手を振る姿がいやでも視界に入る。
図解。 ┌───┐ │ 人│ │ ちぃ │俺 人│ └───┘
「…久しぶりだな」
 「ぉ父さん~。アタシ乗ってるの気付いてた?」
 「ホームに入ってきた時点で見つけてたよ」
 「うそぉ。アタシ全然気がつかなかった。ぉ父さんはいつもこの電車なの?」
 「あぁ、毎日コレで行ってる。お前は?」
 「いつもはもう一本早いの。今日はね、友達と一緒に行く約束したから。その子がね、コレに乗るはずなんだ」
 「そっか」
   :
 (中略)
   :
 「じゃ、アタシ(友達を探しに)行くね」
 「おぅ」
 「またね、ぉ父さん」
 「ああ、またな」
赤の他人越しで「ぉ父さん」を連呼しおって…。恥ずかしいコトこの上なくて。
嬉しいことこの上ないぢゃないか。


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