誰かに何かを頼む、と言うことが苦手で嫌いだった。
「頼み事」とは、自分に出来ない事を相手に無理強いする行為。
 「お願いします」という文句は、丁寧な語感でカモフラージュした命令語。
 ずっと、そんな認識があった。
けれど。
きちんと相手を慮(おもんばか)れば。
 つまり、相手の立場や状況を思い量れば。
 無理なことは頼めないわけで。
 つーか遠慮するぐらいの神経は持ち合わせているわけで。
まずは気軽に話をしてみる。
 持ちかけてみる。
 それ自体は、何ら相手の負担にはならないのだ。
ダメでもともと。
 快く引き受けてくれれば願ったり叶ったり。
なんてことを、ここ数日で思った。
同時に。
「先日の〇〇の件、ありがとうございました」みたいな。
 負い目のない素直な感謝の言葉を。
 言えるということは、実はとても「有り難い」ことでもある、と。
話すことで一時的に放すけれど離すわけじゃない、ってことも。
こんな気持ちや思いや考え(けれど以降)に至ったのには。
 むしろ、そんな気持ちや(中略)(冒頭~けれど)であったのには。
 心当たりというか、自己分析で思い当たるフシがあって。
うまく言えないんだけど。
「ビジネスライク」という言葉がある。
 なんとなく「私情を挟まずに」とか「淡々と事務的に」っていうイメージかと。
では。
「ライク」をとっぱらった「ビジネス」は?
 ガチで発注者と受注者の関係ではどうだろう?
契を交わせば義をもって。
 そんな日本人的な主従意識が働くのか分からないけれど。
ともかく俺の「ビジネス」における対人関係は「受発注」の関係しかなかったから。
 契約の後で発生する、イレギュラーな事象は。
 「お願い」という言葉で置き換えられた「強制」だった。
 頼まれることも頼むことも。
 等しく苦痛であり心苦しかった。
ひとえに「客」と「外注」しか知らなかった。
今は違う。
社内、グループ会社、協業ベンダー。
 えげつない言い方をすれば。
 お互い旨い汁を吸うために頑張りましょう、っていう関係。
 素敵な言い方をすれば。
 お客様のために一致団結して頑張りましょう、っていう関係。
あー。
あれやこれや推敲に4時間近く費やしてしまった。
まぁ、いいや。
ともかく。
ソフトウェア開発技術者(昔の第一種情報処理技術者)の資格を持ちながら。
 監視カメラとか。
 電気錠と連動できるインターホンとか。
 かんっっっっっぺきにアプリケーション層とはホド遠いレイヤーの。
 提案とかデモとか設計が主業務になってきてますけど。
それはそれで楽しい!
リリー・フランキーの「東京タワー」
「どんなことも最低5年はかかるんや」
今の会社に「新入社員」として迎え入れてもらったのが。
 2006年9月。
メンヘルになっちまった時期から、ちょうど一年。
他の誰でもない。
 明日の、いやもうこんな時間になっちまったんで、数時間後の自分に向けて。
 これだけは言っとく。
お前が思ってる以上に、お前は非力なんだから。
 出来ることを、精一杯やろう。
そうだ。
頑張れ!
 「お前」には「俺」がいるだろ!


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