~要するに、見る側と見られる側の差は相対的~
進学率が高くなり、「大学」とは学問研究所から「とりあえず」の進学先へと変貌した。
居酒屋に入って「う~ん。とりあえず、ビール」って言うのと同じである。
そもそも明確に「これを学ぶ!」という気持ちで進学する奴らは、医者の息子とか、跡継ぎぐらいなもんだ。
その他多くの学生は、高校の頃の得意科目(または苦手じゃない科目)を基準にして、学部・学科を選択する。
あとは偏差値(今は無くなったんだっけ?)を参考にして、ネームバリューや地理的条件など、およそ「勉学」とはかけ離れた要素で「大学」を選ぶ。
ヒロスエが早稲田だか慶応だか受験するってんで志望者が急増したって話もあったしな。
そもそも高校の頃の「とりあえず勉強しろ」がつらい。
その「とてもつらい、大学に入るための勉強」から、晴れて解放されたらどうなるか?
「大学に入る」という目標が達成された以上、あんなつらくておもしろくもない「勉強」をすすんでやるヤツは希有である。
要するに、我々は過度の受験戦争を経験したことによって、ある種の「強制力」が働かなければ勉強できなくなっているのである。
だってそうでしょう?
1時間勉強するより、1時間友達と遊んだ方が楽しいし。
1日勉強しても1銭にもならないが、1日アルバイトしたら現金が手にはいるし。
そういえば、どっかの大学が学生へのアルバイトの斡旋をやめたらしいですね。
小遣い稼ぎのアルバイトで学生の本分たる「勉学」がおろそかになっているから、ですって。
おそらく大学に入ってもまだ勉強できる人間は、勉強するための新たな目標がある人間。
大学院への進学を考えている人たちぐらいでしょう。
多分、彼らはその努力を買われ、大学や企業の研究所に入るコトでしょう。
そこまで行けば勉強=暗記という図式は確実に崩壊するでしょう。
学問の古典的分野を100%信頼していたら、新しい発見などあり得ないわけで。
宇宙誕生より以前から存在していた(かも知れない)惑星とか見つかってるぐらいですから。
私の勝手な推論ですが、今回の「大学改革」には、企業側からの要請もあったんじゃないですかね。
「採用してみたら、全然使えない学生が多い。どうにかしてくれ」と。
そりゃ、学歴と大学での成績を判断基準に選んだら当然のことじゃないですかね。
成績優秀=記憶力優秀ですから。
特に理系と言われる部類の人間はその傾向が強いと思います。
いくら公式や定理を覚えていても、そんなもの本で調べれば全部分かりますよ。
「カンニング」が許されないのは学校のテストだけの話ですから。
何年もかけて培ってきた暗記する能力は、創造力には結びつかないみたいです。
数年前に、第2土曜日が小・中・高等学校の休業日となった頃から、教育課程が変わりはじめました。
授業日数にあわせて、少しは教科書が薄くなったみたいですけど。
それでも大学への門戸は広くならず、かといって進学率が下がっているわけでもない。
「1浪2浪は当たり前」という、どっかの電気屋のキャッチフレーズような状態で、彼らは大学に入ってくるのでしょう。
人それぞれの「大学に入ったら…」という願いを抱いて。
新歓(新入生歓迎会)で未成年にも関わらず酒を飲んで、「これが自由か!」などと思ったら、もう終わりですね。
(おいらは少々「つまらない」と感じた部類の腐った人間ですが…)
いままで束縛されてきた者にとって、それはまさに悪魔の囁き。
「因数分解って役に立つのかな?」という疑念が、「因数分解なんて社会生活に関係ねぇよ!」という確信に変わったとき。
これまで勉強に費やしてきた時間の無意味さを感じたとき。
なによりも、自由な時間が増えて、何か「楽しいこと・面白いこと」を見つけてしまったとき。
常々思っていた「勉強」に対する「負」の部分が強調されてしまう。
つらい・めんどくさい・わからない・ムダ・やりたくない・やらなくてもいいじゃん・必要ないじゃん・単位が取れりゃいいでしょ…
結局、おいらは何を言いたかったんだ?
要するにだ…え~と…。
そう、大学を外側からのチカラで変えても、学生は急には変わらないぞ、と。
「とりあえず」で寄ってみた居酒屋に「高級なワイン」を注文するのは場違いなわけで。(←なんか違ゥ)
18年近くの間、半強制的にやってきた「勉強」と言う行為。
それが自分にとってどれだけの意味を為すかが分からなくなって。
そこに働く強迫観念がなくなれば、やらなくなるのも当然なわけで。
大卒という肩書きが企業への通行手形の役割を無くしかけてる今だからこそ。
何かを学ぶ意欲をもったまま大学に入れる状況が必要なんじゃないかな?
それすなわち、「受験戦争」の緩和である。
長く急な坂を越えて、緩やかな下り坂になったら、一休みしたくなって当然でしょ?
相変わらずゴタクを並べると訳が分からなくなるね。
ここに書いたのはおいらの持論というか、常々感じていたことなんで、「何ほざいてんの、オメー」などと厳しいツッコミは勘弁してください。
ああ…でも…すっきりしたなぁ…。