~背景は黒 BGMはオルゴール調のいかにも切なげな曲~
とても幸せだった…
それが日常であることをぼくは、ときどき忘れてしまうほどだった。
そして、ふと感謝する。
ありがとう、と。
こんな幸せな日常に。
水たまりを駆けぬけ、その跳ねた泥がズボンのすそに付くことだって、
それは幸せの小さなかけらだった。
永遠に続くと思ってた。
ずっとぼくは水たまりで跳ね回っていられると思っていた。
幸せのかけらを集めていられるのだと思ってた。
でも壊れるのは一瞬だった。
永遠なんて、なかったんだ。
知らなかった。
そんな、悲しいことをぼくは知らなかった。
知らなかったんだ…。
「えいえんはあるよ」
彼女は言った。
「ここにあるよ」
確かに、彼女はそう言った。
永遠のある場所。
…そこにいま、ぼくは立っていた。
心の琴線に触れましたか?
- 琴線:
- きんせん。古代解剖学で、心臓を包み支える神経と考えられたもの。
昔、人間の意識(心)は頭ではなく心臓に宿っていると考えられていたせいもあるでしょうけど。
日本は、心臓よりも腹って考えでしたね。
for ex.『腹黒い』『腹を割って』『腹を決める』 - (心の)―に触れる:
- 読者や聞き手に大きな感動や共鳴を与える。